Super Zea Long Coat
21AW comm. arch. Men’sから、既出のフードコートに続き、Super Zea Long Coat のご紹介です。
20AWでも大変ご好評頂いたアイテムです。
ひとつ前に投稿された、レディースのジャケットとほぼ同じ説明になりますが、素材は、ニュージーランド南島クック山脈周辺の山岳のみで飼育されている、平均繊度が16マイクロンクラスのカシミヤに匹敵する希少な超極細ウールを使用しました。

寒暖差がとても大きい地域に生息しているため、毛がとても細く繊細で、コート地もそうですが、ニットも触れるとしっとりとした感触があります。
**昨年と同じ素材を使用しておりますが、機工場が違うため、厳密にみると今年の生地のあがりの方が少しだけ厚みがあります。

昨年も同じ説明をしましたが、ここからが軽さと暖かさの秘密の生地加工のお話です。
ニットウェア業界でもよく使用する、水溶性ビニロンの加工(通称、水ビ加工)を施すことで、軽さとかさ高性を出しました。
簡単な図解が上の写真になります。
ウールに水溶性ビニロンという、水に溶ける素材の糸を混紡し、その糸で生地を織り上げます。

仕上げとして、加工時に水洗いをして溶かすことで、ビニロンが溶けて無くなった隙間にウールと空気が入りこみ、ふわっと[軽さ]と[かさ高性]が出ます。
通常のコート素材の約10%軽量化されていて、エアリーな軽さとリッチなボリューム感が特徴です。

シルエットも、comm. arch. Men’s お得意の細すぎず太すぎず、程よくゆったりです。
特にニットを含めウール素材は、少しゆとりがあった方があたたかく感じます。
ゆとり部分に溜まっている空気が体温で温められるからです。
ベッドの毛布や、布団乾燥機と同じ原理ですね。
ウール製品のサイズを選ぶ際の参考にしてください。

使用しているボタンは、全てしっかりとしたホーンボタン。
ウールコートに使わなければ、何に使われるのか、というほど、ダンディな雰囲気を作り上げるホーンボタンです。

衿を立ち上げるとまた雰囲気が変わります。


裏地はキュプラ100%の厚手の裏地。
ここ近年、裏地の無い一重のコートも多いですが、どうしてもインナーと擦れてお互いに摩耗されてしまうのが懸念されるため、今回もキュプラの裏地を付けております。
今年は、3色展開

Camel /キャメルベージュ

Coalmine / チャコール

Blackout / ブラック




来年の22AWでは、この型はお休みで形の違うコートが展開される予定ですので、お求めの方はお早めにお試しくださいませ。